神社にお参りしたことがある方なら、「二礼二拍手一礼」あるいは「二拝二拍手一拝」という文字を、社頭の案内板や手水舎の横などで目にしたことがあるかもしれません。
この2つの表記、どちらが正しいの?何が違うの?と思った方もいらっしゃるでしょう。
実はこの「二礼二拍手一礼」と「二拝二拍手一拝」、基本的には同じ意味を持っています。ただ、使われている言葉の違いにより、ニュアンスや場面が少し異なるのです。
「礼」と「拝」の違いは?
- 「礼」とは、おじぎの動作そのものを指します。広く一般的に使われる言葉で、会釈や軽いおじぎも含まれます。
- 「拝」とは、「拝む」「拝礼する」のように、特に神様などに対して深く敬意を込めておじぎすることを意味します。神道においては、90度腰を折って丁寧におじぎする作法を「拝」と呼びます。
つまり、「礼」も「拝」もおじぎを意味しますが、
- 「礼」=一般的なおじぎの動作
- 「拝」=神様に向かって深く礼をする動作(90度の丁寧な拝礼) という違いがあるのです。
どちらが正しい?使い分けのポイント
どちらの表記も間違いではなく、意味としては同じ拝礼作法を指しています。
- 「二礼二拍手一礼」は、より親しみやすく、日常的な表現。神社の案内板や一般向けのパンフレットでよく使われます。
- 「二拝二拍手一拝」は、古式ゆかしく、正式な文語表現。神職の方や式典・文献などではこちらが好まれる傾向にあります。
参拝者にとって大切なのは、どちらの言葉を使うかよりも、その作法を心を込めて丁寧に行うことです。
正しい参拝作法(動作の流れ)
どちらの表現を使う場合でも、動作の内容は同じです。
- 二礼(または二拝):神前で90度のおじぎを2回
- 二拍手:胸の前で手を合わせて2回たたく
- 一礼(または一拝):最後に深く1回おじぎ
これが、日本の神社における基本的な拝礼作法です。
まとめ
「二礼二拍手一礼」と「二拝二拍手一拝」は、言い方は異なりますが、意味も動作も基本的には同じです。
ただし、「拝」という言葉にはより深い敬意が込められており、神様への丁寧なおじぎを表すと覚えておくとよいでしょう。
大切なのは、表現の違いにこだわるのではなく、神様に向かう心と丁寧な所作を大切にすること。
今後誰かに「どちらが正しいの?」と聞かれたときには、「意味は同じですよ。でも『拝』は特に神様への深い礼を表します」と、やさしく教えてあげてくださいね。