しめ縄を外す時期はいつ?意味と時期の考え方を神社の立場から解説

正月飾りの中でも、しめ縄は最後まで残りやすく、「いつ外せばいいのか分からない」と感じる方が多いものです。
しめ縄は単なる飾りではなく、神様を迎え、留め、送り出すための大切な役割を担っています。
そのため、外す時期にもきちんとした意味があります。
この記事では、しめ縄を外す一般的な時期と、その背景にある考え方を分かりやすく整理します。

しめ縄の役割と正月との関係

しめ縄は、神聖な場所と日常の空間を分ける「結界」です。
正月に張られるしめ縄は、年のはじめに各家庭へ訪れる歳神(としがみ)をお迎えするための目印であり、家が神聖な場であることを示しています。
門松は神様の「依代」、鏡餅は神様の「宿るところ」、そしてしめ縄は「ここは清らかな場所である」という印です。
この三つがそろって、正月の神迎えが完成します。

しめ縄を外す目安は「松の内」

しめ縄を外す時期の基準になるのが松の内(まつのうち)です。
松の内とは、歳神をお迎えし、おもてなしをする期間のことを指します。
松の内の長さには地域差があり、主に次の二つの考え方があります。

・関東地方:1月7日まで
・関西地方・西日本:1月15日まで

この松の内が明けた後に、しめ縄を外すのが一般的とされています。
どちらが正しいということではなく、その土地に根付いた習わしを尊重することが大切です。

なぜ地域によって違いがあるのか

松の内の違いは、江戸時代以降の生活様式や暦の影響によるものです。
関東では武家社会の影響から、正月行事を比較的早く区切る風習が広まりました。
一方、関西や地方部では、古くからの小正月(1月15日)を重視する形が残り、松の内も長く保たれました。
この違いは「簡略化」と「古式」の差とも言え、どちらも日本の正月文化の一面です。

しめ縄を外すという行為の意味

しめ縄を外すことは、「正月が終わったから片付ける」という作業ではありません。
それは、歳神を無事にお送りし、日常へ戻るための区切りです。
正月の間、家は神様をお迎えする場でした。
しめ縄を外すことで、神様をお送りし、自分たちの生活の場へと戻していく。
この切り替えこそが、日本の年中行事の大切な感覚です。

外す際に気をつけたい心構え

しめ縄を外すとき、難しい作法は必要ありませんが、次の点を意識すると丁寧です。

・感謝の気持ちをもって外す
・足で踏んだり、乱暴に扱わない
・心の中で「ありがとうございました」と伝える

神事において最も大切なのは形式よりも心です。

外したしめ縄の納め方

外したしめ縄は、どんど焼き(左義長)などの焚き上げに納めるのが理想的です。
焚き上げは、正月飾りに宿った神様を天へお送りする意味を持っています。
やむを得ず自宅で処分する場合は、白い紙に包み、塩で清めてから処分するとよいとされています。

しめ縄を外すと、正月の時間は完全に終わり、日常が本格的に始まります。
これは「気が抜ける」ということではなく、新しい一年を自分の足で歩み始める合図です。
神様に守られた正月の時間から、神様の御恵みを胸に日々を重ねていく時間へ。
その節目として、しめ縄を外す行為は今も大切に受け継がれています。

まとめ

しめ縄を外す時期は、

・松の内が明けてから
・地域の風習に従ってよい
・感謝の心をもって行うことが最も大切

というのが基本的な考え方です。
しめ縄を外すその一瞬が、一年の歩みを整える静かな時間となりますように。
新しい一年が、穏やかで実り多きものとなることをお祈り申し上げます。