古事記解説①「天岩戸開き」

日本神話の中で最も象徴的な物語の一つである「天岩戸開き」についてご紹介します。天岩戸開きは、神道の祭りの起源を見ることができるとても重要なエピソードなので、特に神社が好きだという方は必ず知っておくことをお勧めします。

天岩戸開きの背景

天岩戸開きの物語は、日本の太陽神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)にまつわるものです。天照大御神の弟である須佐之男命(すさのおのみこと)の乱暴な行動が原因となり、彼女が天岩戸(あまのいわと)という洞窟に隠れてしまうエピソードから始まります。彼女が隠れると世界は暗闇に包まれ、困り果てた神々は対策を講じることとなります。

岩戸開きに至る神々の策略

八百万の神々は天安河原(あめのやすかわら)に集まり、岩戸を開けるための策略を練りました。以下はその活動のハイライトです:

鏡と勾玉の準備

思金神(おもいかねのかみ)の発案で、天津麻羅(あまつまら)には矛を作らせ、伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)には美しい鏡を作らせました。また長鳴鳥の鶏を集め、止まり木にとまらせ、一斉に鳴かせました。これにより、神聖で荘厳な雰囲気を持つ儀式の準備をしました。

装飾

天児屋根命(あめのこやねのみこと)と布刀玉命(ふとたまのみこと)が、牡鹿の骨を使い占いを行い、榊(さかき)の木に鏡や勾玉、布を掛けて神聖な飾りを作り、岩戸の前に設置しました。

神事と踊り

天児屋根命は岩戸の前に立ち、祝詞を奏上。最も決定的だったのは、天宇受売命(あめのうずめのみこと)の舞踊でした。彼女は岩戸の前で衣服がはだけるほど激しく踊り、神々を笑わせました。その様子に不思議を覚えた天照大御神は、何を楽しんでいるのかと気になり、岩戸を少し開けます。

結末

岩戸が少し開けられた瞬間、天手力男命(あめのたぢからおのみこと)が待ち構えて岩戸を力強く開きます。その結果、天照大御神が岩戸の外に引き出され、再び光が世界に戻りました。これにより、秩序と平和が高天原および地上に戻り、神々も喜びに満ち溢れたとされています。


現代との繋がり

この天岩戸開きの話は現代にもその繋がりを見ることが出来ます。どのように繋がるのか、一つずつ見てみましょう。

真榊

神社の社殿には、この画像にも見られる、榊に5色の布、鏡、勾玉などが飾り付けられたものが設置されています。これは「真榊(まさかき)」と呼ばれ、上述の神々が鏡や勾玉を榊に飾ったという話と一致します。

神事

神事の内容に関しても、神道の祭りでは、必ず「祝詞(のりと)」と呼ばれる神様への願いの言葉を奏上します。また、巫女による舞も多く見られます。

神社の作り

長鳴鳥を止まり木にとまらせ鳴かせたことで、岩戸が開きました。このことから神社には止まり木が設けられ、これが鳥居の起源になったとされています。

まとめ

この物語は、神道を語る上で欠かせない重要な話であることが分かっていただけたかと思います。ちなみに当社では、この天岩戸開きの神話に倣って、毎月17日の月次祭は、日の出前に行い、太陽を迎える、言い換えれば天照大御神を迎える形での神事を行なっております。御祭神・天児屋根命の力をより発揮させんがため、いろいろな工夫をしているので、今後とも丸亀春日神社の動向をチェックしておいてください。