発明神社切り絵御朱印に秘めた謎を解く

当社の切り絵御朱印〜聖徳太子〜にはたくさんの謎が隠されており、この謎について改めて一つずつ解説をします。

 

①曲尺(差し金)
  聖徳太子と聞いてイメージする姿は、おそらく尺を持った姿を想像すると思います。しかし他にも曲尺を持った姿で描かれることもあります。これは、聖徳太子が日本に新たな大工技術を持ち込んだことにより、大工の神様と呼ばれるようになったことに関係しています。大工の神様を象徴するものとして、曲尺が描かれています。

 

②柱(エンタシス)
  法隆寺は聖徳太子が建立した日本最古の木造建築。その柱の形状は、エンタシスと呼ばれる柱の中ほどが膨らんだ形をしています。これは古代ギリシャの神殿の石柱にも見られる構造であり、他の地域には見られません。ではこの時代に聖徳太子はどのようにして知ったのか、それとも直感的にこの構造を思いついたのか。大工の神様と言われる理由はここにもあるように思われます。

 

③手裏剣
  忍者を象徴するものとして描かれています。ではそれはなぜか?聖徳太子は、忍者の起源である忍能便(しのび)を最初に登用した人物であると言われています。大伴細人(おおとものほそひと)という人物が、聖徳太子に仕えていたという記録があり、情報収集の為に登用していたのかもしれません。

 

④3匹の虎
  聖徳太子は当時、蘇我馬子と共闘し、対立していた物部守屋との内乱、丁未の乱に勝利しました。太子は戦に際して、信貴山にて戦勝祈願をしています。寅の年、寅の日、寅の刻に祈願をすると、太子の前に毘沙門天王が出現したという伝説が残っています。これを機に太子は、毘沙門天を含む四天王を安置するため、四天王寺を建立することになりました。この3つの寅の時間から、3匹の虎を描いています。

 

 ここまでは聖徳太子の歴史にちなんだ内容を御朱印のデザインに折り込んでいるのですが、ここからは都市伝説のような嘘か本当かわからないものを取り入れましたので紹介します。

 

⑤十字架
  聖徳太子は、特に最近では厩戸皇子(うまやどのみこ)と呼ばれることの方が多くなったと思います。なぜ厩戸なのかというと、太子は馬小屋の前で生まれたという伝承が伝えられているからです。
さてここで世界の偉人の中でよく似た伝承をもつ人物がいることにお気づきでしょうか。そうです、キリストです。聖母マリアは神のお告げにより懐胎し、旅先で臨月を迎えたため、馬小屋でキリストを生みました。

  これはたまたまなのか、意図的に伝承を寄せたのか。
一つ考えられるのは、聖徳太子の側近であった秦河勝(はたのかわかつ)という人物の出自です。秦氏は渡来人であったということは分かっています。さらに秦氏の祖先を辿っていくと、弓月国(ゆづきのくに)という中央アジアの国に行き着きます。ここは当時、古代ユダヤ教を信仰していた国。もしかすると聖徳太子をキリストのような存在に仕立て上げようとしていたのかもしれません。

  ちなみに聖徳太子のおじに当たる蘇我馬子という人物の名前を見てみましょう。並び替えて読むと、「我は蘇った馬の子」。これもキリストに関係していると思えませんか?

 

⑥抜頭
  これは厳島神社で毎年奉納される、舞楽「抜頭(ばとう)」を表した絵です。この舞楽の物語は、ペルシャ人の主人公が、父を猛獣に噛み殺されたために復讐をするというお話です。これがなぜ聖徳太子に関係があるのかというと、まずこの舞楽は秦河勝の子孫によって舞われていたということ。さらに聖徳太子の母は、穴穂部間人皇女(あなほべのはしひと)という方です。この”はしひと”とは、波斯人と書くことができ、波斯(はし)とは当時のペルシャを表す言葉です。つまり波斯人は、ペルシャ人と訳せます。もしかすると聖徳太子にはペルシャの血が流れていたのかもしれません。さらに厳島神社の社殿が北西を向いていることがあることに関係するのですが、それは次の7つ目の謎で解説します。

 

⑦フラワシ
  この絵は、ゾロアスター教の守護霊・フラワシのシルエットを描いています。まずゾロアスター教とは、古代ペルシャにおいて信仰されていた宗教で、アフラ・マズダーを信仰の対象としています。このゾロアスター教において神聖な方角というものがあります。それは北北西20度。この方角というのは、冬至の夜、シリウスがその先に輝く角度になります。そのためゾロアスター教の神殿はこの方角に向けて立てられており、もう一つの特徴として神殿には必ず池が設置されています。

  では聖徳太子とのつながりを見ていきます。のちに太子道と呼ばれる法隆寺と飛鳥宮を結ぶ道があるのですが、この道が北北西20度に傾いています。さらに先ほど紹介した厳島神社も北西向き、かつ水辺にあります。

  ちなみに聖徳太子とは関係ないですが、鹿島神宮の奥宮も北北西20度を向いています。さらに奥殿裏には澄んだ水で有名な御手洗池がありますね。

  ちなみにちなみに日本にマツダという車メーカーがありますが、英語表記は“MAZDA”。“TSU”ではなく“Z”を使っているのは、アフラ・マズダーに由来するからなんだそうですよ。


以上が切り絵御朱印に秘められた7つの謎でした。
いかがだったでしょうか。実はこの御朱印は、私自身が知りうる聖徳太子のあらゆる謎を詰め込んだ御朱印だった訳です。
そんな謎が詰まった御朱印を是非お受けいただきましたらと思います。

個人的には、こういった古代の日本の謎を探求することが好きなので、今後もこのような内容も投稿していこうかと思いますので、是非またお読みください。