この度、新しく授与することとなりました祝詞守をご紹介します。
当社の御祭神は、天児屋根命(あめのこやねのみこと)。
日本神話には、「天の岩戸開き」という話があります。天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸に籠ったため、世界が闇に包まれました。神々は話し合い、天照大御神を岩戸から出すため、祭りを行います。この時、祭りの中心的な役割を担い、岩戸の前で祝詞(のりと)を詠んだ神様が、天児屋根命です。
この神話になぞらえ、当社の御守りは日本でもここにしかない“祝詞”型をしています。
祝詞とは?
祝詞(のりと)とは、お祭りの中で、神様へ願い事を申し上げる際に読み上げる言葉です。皆さんの願いを大和言葉へと変換し、言霊を震わせ、神様に届けます。
また祝詞は、神事の中では、祝詞袋の中に納められ、奏上まで大切に保管されます。当社の祝詞守は、この形式に倣って作られています。祝詞袋型の御守りに、お好きなお願い事の祝詞を入れ、お持ち頂ける形になっています。
各種祝詞に込められた想い
各祈願内容が書かれた祝詞は、祝詞の内容の他に、願いが神様により一層届くために、デザインにも意味が込められています。ここでは各種祝詞のデザインに隠された意味を解説していきます。
それぞれの祝詞には、オリジナルの鹿の水引のデザインが使用されています。春日大社が鎮座する奈良公園は、鹿が有名ですが、これは春日の神使(しんし)が鹿であることに関係しています。このことから当社でも鹿のデザインを採用しました。
またそれぞれ祝詞に書かれた不思議な2文字は、神代の時代に作られたと言われる出雲文字。より神様に近い言葉を使うことで、願いが叶いやすくなるよう、おまじないをかけています。それではこの意味も合わせて解説をしていきます。
安産
鹿の親子をマタニティマークに似せてデザインしています。
出雲文字は「むす」。神道では、万物を生み出す力を持つ神を産霊神(むすひのかみ)と言います。産霊神の力によって生まれた子なので、日本では子供のことを「むすこ」や「むすめ」と呼びます。産霊神の力が宿りますように願いを込めて。
業績向上
市松紋様は、上下左右どこまでも続くことから“繁栄”を意味する紋様です。鹿の角には、ナスの花を飾っています。
出雲文字は「こう」。ナスのデザインと合わせると「功を成す」となります。あなたの輝かしい成功を願って。
合格
矢絣(やがすり)紋様は、矢がまっすぐ飛んでいく様から“出戻らない”ことを意味します。鹿の角には、桜を飾っています。
出雲文字は「さく」。つまり、桜咲く。これまでの努力が実って、合格という桜が咲きますように願いを込めて。
身体健康
唐草紋様は、つるが四方八方に伸びている様を表しています。つるは生命力が強く、子孫繁栄や長寿の意味を持ちます。
出雲文字は、「はつ」。内なる魂をより一層、活発にさせて、長く元気溌剌でいられますように願いを込めて。
病気平癒
青海波(せいがいは)紋様は、悪いものを水に流し、穏やかな波のように平穏が続く意味があります。
出雲文字は「いゆ」。回復する、癒えるという意味です。病気の根元が水に流され、元の健康な体のまま穏やかでありますように願いを込めて。
神恩感謝
背景には、当社の社紋「二重亀甲に下がり藤」。中央のオレンジのラインは、朝日の昇る地平線を表しています。
出雲文字は「きみ」。“君”とは、天皇を表す他に、イザナ“キ”とイザナ“ミ”の二柱の神を表す言葉とも言われます。当社の神を通し感謝を伝える時、太陽、すなわち天照大御神、さらにその祖先、伊邪那岐、伊邪那美の神へと繋がります。神様への感謝が、さらなるご加護として返ってくるように願いを込めて。
開運招福
毘沙門亀甲紋は、財宝や福徳をもたらす毘沙門天にちなんだ亀甲紋。
出雲文字は「ふく」。小判や打出の小槌も合わさって縁起の良いデザインに。限りない福があなたの元に降り注ぎますように願いを込めて。
厄除
背景には三本の柱。石上神宮・布留山に祀られる三柱の神様を表しています。厄除の祝詞には、“石上古き例の随(まにま)に”という一節が含まれ、石上の神たちの力により、厄を祓います。
出雲文字は「たま」。厄を祓った後は、自らの魂を振るわせ、活力を取り戻します。悪しきものの力が及ばない、清らかな一年を願って。
交通安全
交通安全に馴染みのある黄色と黒をデザインに取り入れています。
出雲文字は「みち」。これからあなたが進む道の先が、神様のご加護のもと、何事もなく安全でありますように願いを込めて。
優々成長
お子様のための御守りです。背景には、竹がデザインされています。
出雲文字は「すく」。祝詞の中に、“呉竹の如く、すくすくと”という一節があります。成長がとても早く、真っ直ぐに伸びていく竹のように、お子様がすくすくと成長されますように願いを込めて。
縁結び
七宝紋は、円(縁)が四方八方に広がる紋様で、円満に繋がるとされます。
出雲文字は「あい」。人と出会い、縁が結ばれ、愛が生まれる。縁の広がりがあなたに赤い糸を導き、結ばれますように願いを込めて。
祓
災難や禍津(まがつ)神から身を守るための御守りです。出雲文字で1〜10までの数字を並べ、六芒星と五芒星を描いています。五芒星や六芒星は、古くから魔除けとして、陰陽道を中心に使われてきました。
祝詞の中には十種神宝(とくさのかんだから)が描かれています。十種神宝を自らの体に宿し、魂を振り起こすことを魂振(たまふり)、または鎮魂(ちんこん)と呼びます。その効果は、死人をも生き返らせるほどの力があったと言います。あらゆる災厄から身を守り、あなたの中に秘めた霊力を呼び起こすように願いを込めて。
これらの祝詞型の御守りから、お好きなお願い事を選び、最大で3つまで祝詞袋に納めてお持ちいただけます。
祝詞の言葉の力で難局を切り開いた天児屋根命のご神徳にちなんだ御守り。日本のどこを探しても、ここ丸亀春日神社にしかありません。ぜひ神社に足を運び、この御守りをお迎えしてください。