“明(あか)る陽の 空の下照る 咲くやこの花 桃襲(ももがさね)に祈り重ねて
門出の道拓き 幸へ給へと 恐み恐みも白す”
《現代語訳》
春の光が降り注ぐ空の下、 美しく咲き誇るこの花よ。幾重にも重なる桃の花びらに祈りを重ね、新たな門出の道が切り拓かれ、 大いなる幸せを授けてくださいますよう、謹んでお祈り申し上げます。
この祝詞では、桃の節句に合わせ、日本の美しき女神たちの御神徳を仰ぎ、新たな門出を祝福する祝詞となっています。一見すると春の情景を詠んだ祝詞のようですが、その中には、四柱の女神の御名が密かに忍ばされています。
・明る:阿加流比売神(アカルヒメ)
「赤い珠」から生まれた輝きの女神。冬を越え、ぐんぐんと明るさを増す三月の太陽のように、私たちの前途を明るく照らし出します。
・下照る:下照比売命(シタテルヒメ)
その美しさが空から地上までを照り輝かせたという女神。万葉集の「桃の花 下照る道」の情景とともに、地上の隅々まで光を届けます。
・咲くやこの花:木花之佐久夜毘売(コノハナサクヤヒメ)
桜や花の象徴であり、圧倒的な生命力を持つ女神。今まさに願いが花開く瞬間のエネルギーを祝詞に込めています。
・桃襲(ももがさね):倭迹迹日百襲姫命(モモソヒメ)
香川に深い縁を持つ知恵と祈りの女神。「桃襲」を「ももそ」と読ませ、その御名を忍ばせることで、幾重にも重なる「百の幸福」を祈念しています。
背景には桃の花、鶯、菜の花、そして蝶。厄除けの桃、春を告げる鶯、飛躍の蝶が、皆さまの新しい一歩を彩ります。
初穂料 1,000円
今月もどうぞよろしくお願いします。