神道青年四国地区協議会設立30周年記念式典に参加して

9月4日、神道青年四国地区協議会設立30周年記念式典に出席しました。四国四県の若い神職が集い、ともに研鑽し奉仕するこの協議会が、節目を迎えたことを心から喜ばしく思います。

私自身にとって、この協議会が設立された背景は特に印象深いものです。阪神淡路大震災を機に「四国の神職が連携を強め、地域を支える力となろう」との思いから発足したと聞きます。震災からすでに30年。あの当時、私はまだ小学生で、連日報道される神戸の映像にただ驚き、胸を痛めていた記憶が鮮明に残っています。

それから三十年。先輩方の志が礎となり、今こうして仲間と手を取り合い、次の世代へとつないでいけることに深い感謝を覚えます。時代が移り変わっても、神職として地域に寄り添い、人々とともに困難を乗り越えていく姿勢を忘れてはならないと強く感じました。

記念講演では、高知県立歴史民俗資料館の梅野先生が「いざなぎ流」と呼ばれる香美市物部町に伝わる独自の神祭りについてお話しくださいました。神社神道とは異なる形で受け継がれてきた古い信仰の姿を知り、非常に感銘を受けました。日本の精神文化は、神社祭祀と地域の民間信仰が重なり合って支えられてきたのだと改めて思います。

祝賀会では高知の古式神楽が奉納され、華やかで力強い舞に会場全体が魅了されました。神楽が人々を結び、地域の心を支えてきたことを実感するひとときでした。

この30周年の節目に立ち会えたことは、私にとって大きな学びと励みです。先人の志を引き継ぎ、仲間とともに新たな30年を築いていけるよう、日々の奉仕を大切に重ねていきたいと思います。