長月の月次祭祝詞 公開

解説

ありがたいことに祝詞公開のご要望を頂きましたので、しばらく祝詞公開はしておりませんでしたが、また再開させていただきたいと思います。

今回の祝詞は、秋の七草を散りばめ、萩や藤袴、女郎花や尾花など、秋の花々の姿や香りを通して、変わらずに恵みを届けてくれる自然に感謝を申し上げる内容となっています。

秋風にそよぐ萩や女郎花のしなやかさに氏子の健やかさを重ね、尾花や葛の繁りゆく姿に縁の広がりや家門の繁栄を祈るなど、それぞれの花が象徴となって祈りを支えています。最後には「天意(あい)の随に」と添え、天の御心に叶うように祈願を結んでいます。


秋の七草の紹介

古くから秋を代表する花々として親しまれてきた「秋の七草」は次の七種です。

  • 萩(はぎ) … 秋の訪れを告げる花。風に揺れる姿はもののあはれを象徴。
  • 尾花(をばな・すすき) … 秋草の代表。真っ直ぐ伸びる白穂は清浄さの象徴。
  • 葛(くず) … 蔓を広げて繁る姿から、縁の広がりや繁栄を象徴。
  • 撫子(なでしこ) … 可憐な花姿から「大和撫子」の語源ともなり、子の健やかさを願う花。
  • 女郎花(おみなえし) … 黄金色の花が群れて咲く。やさしさや和らぎを象徴。
  • 藤袴(ふじばかま) … 香り高く、古来より衣に移して楽しまれた花。清らかさを表す。
  • 桔梗(ききょう) … 星形の花姿は誠実や清浄を象徴。七草の中で最も古典的に詠まれた花のひとつ。

これらの七草は、春の七草のように「食す」ものではなく、目で愛で、歌に詠み、季節の移ろいに感謝するための花々です。

今回の祝詞には、そのまま花の名前を入れるだけでなく、音として忍ばせているものもありますので、探してみてくださいね。