【神在祭とは】八百万の神々が出雲に集う特別な一週間｜神迎祭・神議り・縁結びの意味を知る

神在祭は、旧暦10月11日から17日頃にかけて、出雲大社を中心に行われる祭典です。
この期間、全国の神々が出雲に集まると信じられており、出雲の地では「神が在る月」として、街全体が厳かな雰囲気に包まれます。

神々はまず 稲佐の浜 で迎えられ、そこから龍蛇神（りゅうじゃしん）の先導により、出雲大社へとご遷幸されると伝えられています。
その後は境内の 十九社（じゅうくしゃ） に滞在し、来年のご神意を話し合われる「神議り」が執り行われます。

神在祭は「神迎え・神宿り・神送り」という流れで進む、出雲信仰の中心にある祭礼です。

神在祭の幕開けとなるのが、旧暦10月10日の夜に行われる 神迎神事・神迎祭 です。

・場所：稲佐の浜
・内容：神職が火を焚き、神々をお迎えする神事

このとき、神々を出雲へ導く存在とされるのが 龍蛇神（りゅうじゃしん）。
海から現れる龍蛇神が先導し、八百万の神々を率いて出雲大社へとご案内する――
この神秘的な光景は、古来より「神が集う証」として語られてきました。

静かな波音の中、神職が祝詞を奏し、火の灯りが揺れる稲佐の浜。
ここから神在祭の厳かな時間が始まります。

神々が出雲大社に着かれると、まず 十九社 へお入りになり、ここで滞在されます。
十九社は神々の「お宿」であり、ここで行われるのが 神議り（かみはかり） です。

神議りでは、次のような“縁”について話し合われると伝えられています。

・人と人との縁
・家庭・仕事・学問などの新しい縁
・商売・地域の発展
・五穀豊穣
・国家安泰

すなわち、神在祭の期間は “人生を動かす縁の糸が整えられる時間” と言えるでしょう。
この期間に行われる 縁結大祭（えんむすびたいさい） も、神議りのご神徳をいただく大切な神事として親しまれています。

すべての神議りが整ったのち、旧暦10月17日頃に行われるのが 神等去出祭（からさでさい）。

これは、神々を出雲から各地へとお送りする祭典です。
再び稲佐の浜へお送りし、神々は全国へと戻られると伝えられます。

「また来年もどうぞお越しください」という祈りが自然と湧いてくるような、静かな時間が流れます。

神在祭は、

・全国の神々が集まる唯一の祭り
・来年の“縁”が話し合われる神議りの期間
・稲佐の浜での神迎えから、神送りまで続く大きな祭礼
・出雲の地が最も神聖になる一週間
という、とても特別な行事です。

そして――
神議りで縁が結ばれるのは、すでに神さまとご縁がある人から。

ですので、
神在祭の前に多くの神社へご参拝し、神さまとご縁をつないでおくと、
出雲での“神々の話し合い”がよりスムーズに運ぶかもしれませんよ。

そんな思いを込めながら、今年の神在月を迎えてみてはいかがでしょうか。