この祝詞は、今月の月替わり祝詞御朱印のコンセプトをそのままに、月次祭の祝詞のために綴られたものです。
主題としたのは、「春孕む(はるはらむ)」という言葉です。 立春を過ぎ、旧暦の新年を迎えたこの時期、外気はなお寒くあらゆるものが静まり返っているように見えます。しかし、その内側では新しい生命のエネルギーが着実に蓄えられ、芽吹きの時を待っています。この「春を孕む」胎動の情景を、新しい年を歩み出す私たちの姿に重ねました。
祝詞の中では、「はら」という響きを連鎖させています。「孕む」命の力が、世に荒ぶる「波瀾」を「祓い」、雲霧を「晴らす」ように。さらにこの「はら」を重ねることには、雪が「はらはら」と舞い散る冬から、花びらが「はらはら」と舞い散る春へと季節が移り変わっていく、その転換への願いを込めています。言葉を重ねることで、静寂から躍動へと運命が力強く動き出す様を表しました。
また、本来「神様の恵み」を意味する「恩頼(みたまのふゆ)」という言葉を、あえて「御霊の冬」という言葉にかけ、長く深く蓄えられた恵みが春の光と共に一気に解き放たれることを願いました。
結びの「大なる御恵を豊けく授け給へ」という言葉には、旧暦新年の光を全身に浴びて、氏子崇敬者の皆様の歩みが生命力溢れるものとなりますようにという願いが込められています。この祝詞は、寒さの中に春の兆しを見出し、内なる力を信じて新しき年を健やかに導くことを願う祝詞となっています。