皐月月次祭祝詞公開

この祝詞は祝詞御朱印に引き続き「胡蝶の夢」から着想を得ています。 「胡蝶の夢」とは、中国の思想家・荘子が説いた「夢の中で蝶として自由に舞っていた自分が、目覚めて人間であることに気づくが、果たして自分が蝶の夢を見ていたのか、それとも蝶が自分という夢を見ているのか」という説話であり、自己と現実の境界が消え去る万物一体の境地を象徴するものです。

青葉がそよぎ陽気の満ちゆく五月、海原一面を白く照らし、地平線までを染め上げていく壮大な夕景を描いています。その海を照らしてキラキラと光っている美しい夕日の情景を、舞い飛ぶ「白き鱗の粉」に喩えました。

五月の穏やかで温かい陽気の中、外と内の境界である縁側でうとうとと心地よい眠りに誘われた時、ふと神様の心に触れたような気がした――いまここに在るこの想いは、自分自身の願いなのか、それとも神の御心そのものなのか。夢うつつのあわいの中で、その境界さえも定かではないほど、深く光に溶けゆく様を祝詞に表現しています。

神のまにまに(惟神の随に)心身を和め清められ、日々の巡りの中に確かな見守りを感じながら、皆が安らかに歩み、弥栄に栄えていけますようにという願いを込めています。