卯月月次祭祝詞公開

桜が舞い、瑞々しい新緑へと移ろう四月。今月の祝詞では、春の名残を惜しみつつ、万物が新たに生まれ変わる「産霊(むすび)」の力を寿ぎ、皆さまの平穏を祈念しております。

祝詞に忍ばせた「六柱の女神」

若紅:稚日女尊 (ワカヒルメ)
朝日のような瑞々しい生命力。散りゆく花の後に芽吹く「若々しき力」を象徴します。

豊けき:豊玉姫 (トヨタマヒメ)
豊かな実りをもたらす女神。満開の桜のように、日々の暮らしに福が溢れるよう祈ります。

奇しき:櫛名田比売 (クシナダヒメ)
「奇(く)し=尊い」縁結びの力。新たな出会いの季節に、良きご縁を導きます。

玉:玉依姫(タマヨリヒメ)
神意を宿す清らかな珠。皆さまの心が一点の曇りなく、清らかであるよう願います。

瑞:弥都波能売神
万物を潤す水の女神。花筏を運ぶ流れのように、禍事(まがごと)を清々しく祓い流します。

和なる:倭姫命 国の平穏を守る祈りの女神。人々が手を取り合い、穏やかな世を歩めるよう寿ぎます。

祝詞が描く情景

  • 「桜霞 匂ふ空」:天地が薄紅色の霞に包まれる、四月特有の幸福感。
  • 「花筏流れて」:散った花びらが水面をゆく姿に、停滞を洗い流す「浄化」の意を込めました。
  • 「産霊(むすひ)の御力」:すべての命が更新される再生の喜びを詠んでいます。
  • 「和(やまと)なる世を 安らけく歩ましめ給へ」:豊かな桜を衣のように身に纏い、皆さまの歩む道が瑞々しいご縁に満ちたものとなりますよう、一心に白し上げます。