祝詞御朱印〜葉月〜

“夏草の繁りゆく中 人の世は移ろへども 君偲ぶ心絶ゆることなく
        今も鎮護の御霊となりて 守り給へと恐み恐みも白す”

《 現代語訳 》
夏草が今年も変わらず生い茂るように、季節は巡り続けます。人の世は移り変わっていきますが、あなたを偲ぶ心が途絶えることはありません。どうか今もなお、この国を鎮め守る御霊として、私たちを見守りくださいと、謹んで申し上げます。

《 解説 》
この祝詞は、「巡る自然」と「移ろう人の世」を対比しながら、英霊への感謝と祈りを表しています。

冒頭の「夏草の繁りゆく中」は、毎年変わることなく生い茂る夏草を通して、自然の営みが絶えることなく続いていることを表現しました。これは、松尾芭蕉の「夏草や 兵どもが夢の跡」を思わせる情景でもありますが、本祝詞では無常を詠むのではなく、変わらず巡る自然の中で、変わらず英霊を偲ぶ心を表す導入としています。

「人の世は移ろへども」は、時代が変わり、人々の暮らしが移り変わっても、「君偲ぶ心絶ゆることなく」と続けることで、英霊への感謝と追悼の心は決して失われることがないという願いを込めました。

結びの「鎮護の御霊」は、祖国のために尽くした英霊が、今なお国を鎮め守る御霊として私たちを見守ってくださることを願う表現です。過去を偲ぶだけではなく、その御加護がこれからも続くよう祈りを捧げることで、慰霊と感謝、そして未来への願いを一つにした祝詞となっています。