祝詞御朱印〜文月〜

“梶の葉に願いを重ねて天の川 瑠璃玻璃色に水くくり
罪穢れを天つ海へと押し放てと 恐み恐みも白す”

《 現代語訳 》
梶の葉に願いを託し、天の川へと届けます。人々の願いが瑠璃や玻璃のように美しい光となって天の川を彩り、私たちの罪や穢れは天つ海へと押し流してくださいと、畏み畏みお願い申し上げます。

《 解説 》
この祝詞は、七夕の古い風習である「梶の葉に願いを書く」ことを主題としています。

古来、七夕には梶の葉へ和歌や願いを書き、夜露で墨をすって神々へ奉る風習がありました。現在の短冊は、その梶の葉に願いを記した風習を受け継いだものとされています。冒頭の「梶の葉に願ひを重ねて」は、その古式に倣い、一人ひとりの願いを神々へ届ける情景を表しています。

続く「瑠璃玻璃色に水くくり」は、在原業平の

「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
からくれなゐに 水くくるとは」

の一首を下敷きにした表現です。

業平が紅葉によって竜田川が唐紅色に染まる美しさを詠んだように、この祝詞では、人々の願いが集まり、天の川が瑠璃や玻璃のような様々な光に包まれる様子を表しました。「水くくる」は、水面が色鮮やかに染め上げられるほど美しい景色を表す古典的な表現であり、本祝詞では七夕の夜空へとその情景を移しています。

結びの「罪穢れを天つ海へと押し放てと」は、願いは神々へと届けられ、罪や穢れは遠くへ流れ去るという対照的な願いを込めています。

神道では、水は古くから祓い清めの力を持つものとされてきました。願いを天へ奉り、心に積もった罪穢れは遥か彼方へ流し去ることで、清らかな心で新たな歩みを始めたいという願いを、この祝詞に込めています。

初穂料 1,000円